土地取得費用の寄与分を認めた大阪高裁平成27.3.6決定

 遺産分割において寄与分をめぐって争いとなることが多々ありますが、被相続人が土地を取得する費用についての寄与分を認めた大阪高裁平成27年3月6日決定をご紹介します。

大阪高裁平成2736日決定 

事案の概要

(1) 被相続人Aは平成11年に死亡し、子であるXと孫であるYらが相続人となった。遺産総額は約789万5110円である。

(2) 遺産分割審判において、Xは寄与分として次の主張をした。

①身上介護

 Xは、独り暮らしのAをXの居住地に近い賃貸マンションに呼び寄せ、以後Xは毎日のように無償でAの食事を提供した。

②不動産のローン返済

 Aは実家土地を地主から購入し、その際、Xは夫であるBに依頼して銀行から700万円を借り入れてもらってXとAがその債務の連帯保証人となった。Aはその700万円を実家土地の購入代金に充て、返済はXもしくはBが行った。

③Aの債務の返済(相続開始後の行為)

 Aは、多数の指輪を割賦で購入しており、割賦代金の約200万円は死亡時に返済されておらず、Xが被相続人の死後に残債務を完済した。

判決

①身上介護について

「Xは、Aが昭和55年にX宅近くに転居してから亡くなるまで約18年間食事の世話をしており、食費として1日1000円を負担していたので、657万円相当の寄与がある旨主張する。しかし、上記事実を認めるに足りる的確な資料はない上、仮に、上記事実が認められるとしても、親子関係に基づいて通常期待される扶養の程度を超える貢献があったということはできない。」

②不動産のローン返済について

「Xには、遺産である実家土地の購入に当たって700万円の寄与があったと認めるのが相当である(ところで、上記返済の直接の原資がBの収入であるとしても、Xは上記のとおり昭和58年から夫であるBの経営する会社に勤務して給与を得ていたことからすれば、上記返済は、Xの意思に基づいてXの一家の収入から支払われていたものとみることができるのであり、これによれば、X自身の寄与があったものとみるのが相当である。)」

③Aの債務の返済(相続開始後の行為)について

「Xは、Xが、・・・Aが購入した指輪2個の代金合計70万1200円を支払ったことが寄与に当たる旨主張する。そして、上記主張に沿う事実が認められることは・・・で認定したとおりである。しかし、相続財産への寄与は相続開始までの事情を考慮すべきであることからすれば、相続開始後になされた上記支払をもって寄与の事情とすることはできない。」

コメント

 ①身上介護については、的確な資料はなく、仮に、事実が認められるとしても、「親子関係に基づいて通常期待される扶養の程度を超える貢献があったということはできない」として寄与分を否定しました。

 ②不動産のローン返済については、これを否定した神戸家裁尼崎支部平成26年11月20審判とは異なり、XもしくはBの資産を原資として返済されたものであることを認めました。

 ③Aの債務の返済(相続開始後の行為)については、遺産分割における寄与分ではなく、民事訴訟でYらに対して支払うべきものということになります。

 本件は寄与分について原審と抗告審で判断が異なったものであり、参考となる事案です。

(弁護士 井上元)

相続の法律相談ご予約

フリーアクセス:0120-967-330(御予約受付:平日 午前9:30~12時、午後1時~ 5:30)

相談予約で夜間・土曜面談対応いたします。

メールでのご予約は24時間受付

土曜相談会のご案内

毎月1回、土曜日に相談会を行います。

初回1時間無料・予約制

詳細はここをクリックしてください

OSAKAベーシック法律事務所

御堂筋線・京阪電鉄淀屋橋駅1分

〒541-0042
大阪市中央区今橋 4 丁目 3 番 6 号
淀屋橋 NAO ビル 3 階

交通至便 淀屋橋駅1分

アクセスマップはこちら

専門家ネットワーク

弁護士
税理士、司法書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、その他の専門家

Q&A 任意後見入門



任意後見契約締結から終了まで分かりやすく解説しています!