平成30年相続法改正~法務局における遺言書の保管等

 これまで、自筆証書遺言が作成されても、多くの場合、自宅で保管されていました。しかし、これでは、遺言書が紛失したり、相続人により遺言書の廃棄、隠匿、改ざんが行われるおそれがありました。

 そこで、今般の改正により、法務局において自筆証書遺言を保管する制度が創設されました。

要点

1 遺言書の保管の申請

① 保管の申請の対象となるのは自筆証書遺言のみです。また、遺言書は、封のされていない法務省令で定める様式に従って作成されたものでなければなりません

② 遺言書の保管に関する事務は、法務局のうち法務大臣の指定する法務局(遺言書保管所)において、遺言書保管官として指定された法務事務官が取り扱います。

③ 遺言書の保管の申請は、遺言者の住所地若しくは本籍地又は遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所の遺言書保管官に対してすることができます。

④ 遺言書の保管の申請は、遺言者が遺言書保管所に自ら出頭して行わなければなりません。その際、遺言書保管官は、申請人が本人であるかどうかの確認をします。

2 遺言書保管官による遺言書の保管及び情報の管理

 保管の申請がされた遺言書については、遺言書保管官が、遺言書保管所の施設内において原本を保管するとともに、その画像情報等の遺言書に係る情報を管理することとなります。

3 遺言者による遺言書の閲覧、保管の申請の撤回

① 遺言者は、保管されている遺言書について、その閲覧を請求することができ、また、遺言書の保管の申請を撤回することができます。保管の申請が撤回されると、遺言書保管官は、遺言者に遺言書を返還するとともに遺言書に係る情報を消去します。

② 遺言者の生存中は、遺言者以外の方は、遺言書の閲覧等を行うことはできません

4 遺言書の保管の有無の照会及び相続人等による証明書の請求等

① 特定の死亡している者について、自己(請求者)が相続人、受遺者等となっている遺言書(関係遺言書)が遺言書保管所に保管されているかどうかを証明した書面(遺言書保管事実証明書)の交付を請求することができます。

② 遺言者の相続人、受遺者等は、遺言者の死亡後、遺言書の画像情報等を用いた証明書(遺言書情報証明書)の交付請求及び遺言書原本の閲覧請求をすることができます。

③ 遺言書保管官は、遺言書情報証明書を交付し又は相続人等に遺言書の閲覧をさせたときは、速やかに、当該遺言書を保管している旨を遺言者の相続人、受遺者及び遺言執行者に通知します

5 遺言書の検認の適用除外

 遺言書保管所に保管されている遺言書については、遺言書の検認(民法第1004条第1項)の規定は、適用されません。

6 手数料

 遺言書の保管の申請、遺言書の閲覧請求、遺言書情報証明書又は遺言書保管事実証明書の交付の請求をするには、手数料を納める必要があります。

施行期日

 公布の日(平成30年7月13日)から2年以内に施行されます(別途政令で指定されます)。施行前には、法務局において遺言書の保管を申請することはできません。

参考サイト

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(弁護士 井上元) 

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