遺留分減殺と遺言に基づく遺贈登記(未登記の場合)

  遺留分を侵害するような遺贈を記載した遺言が作成されているような場合、当該遺贈の受遺者に対し、相続人が遺留分減殺請求をした場合、法律上当然に請求された遺留分減殺の限度で、遺贈は効力がなくなります。その場合、遺言に基づく遺贈登記が既にされているようなケースでは、遺留分減殺を理由として、所有権移転登記をすることになります。しかし、事案によっては、遺留分減殺をした時点では、まだ遺言に基づく遺贈登記がされていないこともありえます。このような場合、登記手続はどうなるのでしょうか。一端、遺贈登記してから、遺留分減殺を理由とする登記をすると、費用・手間の点で妥当ではないですし、そもそも、遺留分減殺請求した時点で、遺贈はその限りで効力を失っているはずです。

1 昭和30年5月23日民事甲573号民事局長回答

 遺留分減殺請求時点で、遺言による遺贈登記をしていない場合、被相続人名義の不動産について、直接遺留分減殺をした相続人に移転登記をしてもよいとしています。したがって、登記実務では、相続を原因として所有権移転登記(対象不動産がすべて減殺された場合)、相続を原因として持分全部移転登記(対象不動産の一部が減殺された場合。残りは遺贈を原因として受遺者に所有権一部移転登記)を行います。 

2 最高裁平成8年1月26日判決(民集50巻1号132頁)との関係

  最高裁平成8年1月26日判決は、遺留分減殺により帰属した権利は、遺産分割の対象となる相続財産の対象とならない旨判示しているので、相続を原因とする登記をすることとの関係が問題になりますが、上記最高裁は遺産分割の対象となるかどうかという点を判断したものでしかないこと、遺留分減殺請求により遺贈は効力を失い、もはや遺贈の登記をするメリットはないことや、遺留分減殺も相続法理の1つの処理であること等を考えると、相続を原因とする登記をすることは、上記最高裁判決とは矛盾するものではないといえます。(弁護士中村友彦)

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