遺留分権利者が未成年の場合、遺留分減殺請求の消滅時効は進行するか

 民法1042条は、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から時効が進行すると定めています。しかし、成人した大人であればともかく、遺留分権利者が未成年者の場合、消滅時効の進行について、成年と同様に扱っていいのかが問題になります。

1 法定代理人がいる場合

   事理弁識能力さえないほどの幼少であれば、当然に相続等の事実を認識することは不可能です。ある程度、年齢のいった未成年であっても、遺留分減殺請求できるだけの認識を持てるのかは疑問です。しかし、通常の場合、未成年者には、親権者といった法定代理人がおり、遺留分減殺請求権も、法定代理人が行使しますから、消滅時効の進行は、法定代理人の認識を基準にされると考えられます。 

2 法定代理人がいない場合

  法定代理人がいない場合、未成年者の認識で足りるといっていいのかが問題になります。しかし、よく分かっていない未成年者に遺留分減殺請求権行使することを求めるのは不適当ですし、民法が未成年者を保護するための規定をおいていることとも整合性がとれません。

  青森地裁昭和45年3月31日判決(下民集21巻3=4号424頁)では、民法1042条にいう減殺すべき贈与を知った時とは、単に当該贈与の存在を知るだけでなく、これが慰留分を侵害したことを知り、減殺請求権を行使し得る状態になったときを意味するものと解すべきところ、未成年者には昭和36年3月31日まで法定代理人が存在していなかったのであるから、権利の行使は不能もしくは著しく困難であったものというべきとして、すくなくとも同日までは減殺すべき贈与を知ったものということができず、消滅時効は進行しないとしました。

  上記青森地裁判決は、未成年者だけの認識では1042条の求める認識は満たさないという考えを示すと共に、法定代理人の認識を基準に消滅時効が進行するとしていることが読み取れます。(弁護士中村友彦)

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