遺留分減殺請求後に目的不動産に権利が設定されるとどうなるか

 遺留分減殺請求をしたとしても、受遺者や受贈者が、目的不動産を処分することがありえます。遺留分減殺請求前であれば、価格弁償請求等の処理が民法1040条で定められていますが、遺留分減殺請求をした後の処理について、民法では直接定めた規定はありませんので問題となります。

1 対抗問題 

   民法1040条は、遺留分減殺請求前に限られますので、目的物が譲渡された場合には、最判昭和35年7月19日判決(判時232号22頁)は登記の対抗問題として処理するとしています。したがって、抵当権の設定も、譲渡の同じ目的物の処分ですから、上記判例にならい、登記を権利の受けた第三者より先に受けなければ、抵当権を抹消を請求できないことになります。 

2 不法行為に基づく損害賠償請求

  東京地裁平成2年10月31日判決(金商871号26頁)は、「減殺の意思表示後の権利移転及び権利設定の場合には、権利を譲り受け、または権利の設定を受けた第三者と遺留分権利者の関係は、登記の有無によってその優劣を決すべきであり(最高裁昭和35年7月19日判決)、右第三者が先に登記を経た場合には、遺留分権利者はその権利移転または権利設定を第三者に対して主張できなくなるが、これによって損害が生じた場合は、受遺者に対する不法行為に基づく損害賠償請求により解決されるべきである。」としました。

  また、上記東京地裁判決は、「遺留分減殺の意思表示をなした後である平成元年8月31日、本件土地に抵当権を設定したことについては当事者間に争いがなく、右事実によれば、被告には原告らの持分部分についても抵当権を設定することの認識があり、原告らに損害が発生した場合にはその損害の発生について故意または過失があったものということができる。」としています。

  ただ、「抵当権が実行されていない段階では、原告らに、その持分部分に抵当権を設定して借入れをする具体的な予定があり、かつ、その予定を実行するにあたって被告が設定した抵当権の存在が支障になり、一定額の支出を余儀無くされ、または得るべき一定額の利益を得られなかったという事実が存しない限り、原告らに損害が発生したものと認めることはできないというべきである」として、損害の発生を限定しています。(弁護士中村友彦) 

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