相続人の廃除と離婚

  離婚が成立するまで、配偶者は法定相続人として、被相続人の死後、相続することができます。しかし、離婚を望む方としては、相手方に対する財産分与より、多く財産を引き渡すことになりますから、いくら自分の死後とはいえ、納得できない感情を持つ人が多いと思います。そこで、遺言を作成し、相手方である配偶者に財産がいかないように対処する方法があります。ただ、遺言による方法の場合、配偶者は遺留分の権利を有していますから、被相続人の意思が実現できない可能性があります。

 そこで遺留分減殺のリスクまで考えた場合、ケースによっては、手続きが面倒ですが相続人の廃除を利用することが考えられます。

1 相続人の廃除

 遺留分を有する推定相続人(ここでは、離婚の相手方である配偶者)が、被相続人に対し虐待、重大な侮辱、推定相続人にその他著しい非行があった場合、被相続人の請求により家庭裁判所が審判または調停で相続権を剥奪する制度です。遺言でもできますが、その場合、遺言執行者が必要です。 

2 裁判例(大阪高裁昭和44年12月24日決定家月22巻6号50頁) 

 大阪高裁昭和44年12月24日決定は、原審である大津家裁が、配偶者たる推定相続人の廃除は、その廃除原因があるだけでなく、裁判上の離婚によることができないような特別な場合に限り許されるものとして、相続廃除を認めなかった審判を覆しました。その理由は、概ね一言で言えば、別個の制度であり、その選択は被相続人の自由であるということです。 

(大阪高裁昭和44年12月24日決定の判示)

  ①「民法は、配偶相続権を認め、被相続人の配偶者は常に遺留分を有する推定相続人とされたから(890条、1028条)、配偶者の一方から相手方に対して廃除を請求し得ることはもちろんである。そして、かかる配偶者間における廃除であっても、廃除は遺留分を有する推定相続人の相続権を剥奪することをもってその目的とし、夫婦関係そのものには何らの影響を及ぼすものではないから、離婚と配偶者たる相続人の廃除とが全く別個の制度であることは明かである。」

  ②「すなわち、配偶者の一方に著しい非行がある場合、被相続人たる配偶者が相手方の非行を理由に離婚を請求するか、または離婚請求をせずして推定相続人の廃除を請求するかは、当該配偶者の自由であり、むしろ、夫婦関係は継続しながら(その意図なり理由が何であるかは問うところでない)、相手方の相続権のみを剥奪しておこうとするところに配偶者たる推定相続人に対する廃除を認めた法の趣旨があるものというべき」 

 ③そうであるから、「具体的事件において廃除の原因として主張された事実が、たまたま離婚原因にも当るとしても、被相続人たる配偶者が離婚を請求せず、相続人の廃除を求めて裁判所にその申立をしたときは裁判所は夫婦間における離婚原因の有無などにかかわることなく、当該廃除の申立についてその当否を審理判断すべき」。  (弁護士中村友彦)

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