相続放棄に対し詐害行為取消権を行使できるか

  相続人の一人が借金を抱えているような場合に、被相続人が死亡して相続が発生すれば、借金を抱えている相続人の債権者は、相続財産からの回収を当然に期待するでしょう。しかし、当該相続人が、債権者に回収されないためなどを理由として、相続放棄を行えば、当該相続人は相続権を失い、債権者は回収出来なくなります。このようなケースで、債権者は、相続放棄の取消(詐害行為取消)を請求したりすることはできるのでしょうか。

1 相続放棄

  相続放棄とは、相続があったことを知ってから3ヶ月以内に、家庭裁判所の手続きをへて行うものです。相続放棄をすれば、初めから相続人でなかったことになります。

2 詐害行為取消権

  詐害行為取消権とは、債権者が自分の債権を保全するために、債務者が行った不当な財産処分行為について、取消すように請求することができる権利のことです。

3 最高裁昭和49年9月20日判決(判時756号70頁)

  最高裁昭和49年9月20日判決は、以下のように述べ、相続放棄に対して、詐害行為取消権を行使することはできないとしました。

  「取消権行使の対象となる行為は、積極的に債務者の財産を減少させる行為であることを要し、消極的にその増加を妨げるにすぎないものを包含しないものと解するところ、相続の放棄は、相続人の意思からいつても、また法律上の効果からいっても、これを既得財産を積極的に減少させる行為というよりはむしろ消極的にその増加を妨げる行為にすぎないとみるのが妥当である。また、相続の放棄のような身分行為については、他人の意思によってこれを強制すべきでないと解するところ、もし相続の放棄を詐害行為として取り消しうるものとすれば、相続人に対し相続の承認を強制することと同じ結果となり、その不当であることは明らかである。」

(弁護士中村友彦)

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