遺産分割後に認知で相続人となった者がいる場合にどうなるか

   遺産分割は、原則、相続人全員で行わなければ無効になりやり直さなければいけません。そこで、遺産分割にあたっては、被相続人の出生から遡って調査して、相続人の把握を行う必要があります。

 遺産分割後に相続人が判明するケースとして、死後認知がありますが、このような場合、遺産分割が無効にならないことがあります。

1 遺産分割後に認知

   認知は出生に効果が遡りますので、認知により相続人となった者は相続開始の時に相続人であったことになります。しかし、民法910条では、認知により相続人となった者に相続分に応じた価格の請求を認めており、このような場合には遺産分割の効力に影響はなく、遺産分割は無効になりません。

2 相続人の死後から遺産分割の前に認知

  民法910条はあくまでも、遺産分割後の規定ですから、相続人の死後から遺産分割までの間に認知手続きがとられたようなケースでは適用されず、遺産分割は無効になります。

  大阪高裁昭和41年7月29日決定(家月19巻2号73頁)も、「民法910条は、認知前に他の共同相続人が遺産を処分した場合に関する規定であって、認知により相続人たる資格を取得した後における遺産の処分については適用がない」として、民法910条の適用があるとした原審の判断を失当としました。(弁護士中村友彦)

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