特別縁故者の分与請求権は相続されるか

   被相続人が死亡したが、相続人が誰もいないような場合、被相続人の財産は国庫に帰属します。しかし、被相続人に内縁関係の者がいたようなケースでは、内縁関係の者に何ら財産が承継されることがなく、国庫に帰属するというのは不適当ですから、特別縁故者制度があります。特別縁故者に当たる者は、家庭裁判所に対し分与の申立てをし、裁判所の裁量により、分与される財産が決まります。

事案によったら、特別縁故者が分与請求する前に亡くなることが考えられますが、この特別縁故者の有する分与請求権は、相続の対象になるのでしょうか。

1 松山家裁昭和41年5月30日決定(家月19巻1号59頁)

  松山家裁昭和41年5月30日決定では、「被相続人の相続財産から分与をうけうる資格のあるものは、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者など、少なくとも被相続人の生前において被相続人の縁故関係があった者を指すのであり、この資格は一身専属的であって、相続の対象となるものではない」と述べ、分与請求は相続されないとしました。

2 東京高裁平成16年3月1日決定(家月56巻12号110頁)

  特別縁故者の分与に向けて何ら行動を起こす前に、特別縁故者が亡くなった場合ではなく、特別縁故者の分与請求をする前提として相続財産の管理人選任を申し立てるなどしていた場合は、権利が具体化しつつあり、上記松山家裁決定とは別の扱いが妥当しないかが問題となります。

  この点について、東京高裁平成16年3月1日決定は、特別縁故者として相続財産の分与を受ける可能性のある者も、現にその申立てをしていない以上、相続財産に対し私法上の権利を有するものではないこと、その者が相続財産分与の申立てをする目的で、前提手続である相続財産管理人選任事件の申立てをしていたとしても、直ちに特別縁故者ないしこれに準ずる者として相続財産に関し法律上保護すべき具体的な財産権上の地位を有するものではないとした旨を述べて、相続財産の分与を受ける可能性のある者が分与の申立てをしないまま死亡した場合には、特別縁故者としての地位が相続されることはないとしました。

3 大阪高等裁判所平成4年6月5日決定(家月45巻3号49頁)

  すでに、特別縁故者の分与を申立ており、請求権が具体化している場合はどうでしょうか。

  大阪高等裁判所平成4年6月5日決定は、「特別縁故者の地位は、その者と被相続人との個人的な関係に基づくもので、相続財産の申立てをするか否かはその者の意思に委ねられており、一身専属性の強い地位であるが、一旦、その分与の申立をすれば、申立人は、相続財産の分与を受けることが現実的に期待できる地位を得ることになり、その地位は、財産的性格を持つから、その後申立人が死亡した場合、その相続人は、分与の申立人の地位を承継すると解するのが相当である。」として、相続を認めています。(弁護士中村友彦)

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