相続税の軽減目的の養子縁組に関する裁判例

 養子縁組は、遺留分を減少させる目的や相続税の削減の目的に利用されたりすることがありますが、民法802条は、養子縁組をする意思がないときは無効としていますで、その有効性については問題となることがあります。判例は、実質的な意思を要求しており、真に親子関係を創設することが必要としています。

1 東京高裁平成12年7月14日決定(判タ1051号305頁)

  東京高裁平成12年7月14日決定は、相続税の軽減目的の養子縁組の効力が問題となっている事案であり、以下のように判示し、結論としては縁組の意思を認めましたが、相続税の軽減目的のみの場合であれば、無効となる可能性があることを見て取れます。

(判示)

 本件養子縁組が相続税の負担を軽減する目的で行われたとするが(なお、Aの遺産である不動産について、相続税に関する小規模宅地の特例が適用された場合には、未成年者を除く3名のみが法定相続人であっても、遺産総額が非課税の範囲にとどまる余地がある。)、当該養子縁組がそのような動機のもとに行われたとしても、直ちにそのような養子縁組が無効となるものではないうえ、本件記録によっても、本件養子縁組が養親子関係を設定する効果意思を欠くものであるとはいい難く、本件養子縁組をもって無効であるということはできない

 養子縁組を行うことについて、将来相続人間で揉めない見通しがあるなら格別、被相続人の生前から既に感情的な軋轢があるような場合には、養子縁組の利用は避けた方が無難であると思います。

(弁護士中村友彦) 

補遺

 最高裁平成29年1月29日判決は、専ら相続税の節税のための養子縁組も有効であるとの判断をしました。詳細は下記コラムを参照してください。

コラム「専ら相続税の節税のための養子縁組を有効とした最判平成29.1.31

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