公正証書遺言作成の押印の際に、証人が立ち会わなかった時にどうなるか

    公正証書遺言の作成は、公証人が関わり、検認も必要ではなく、遺言の存在等でも争われる可能性も少なく、後日の紛争に備えるために有用です。この公正証書遺言には、民法上、その作成の要件が定められており、その中の一つに、証人が立ち会うことを要するとされています(民法969条1号)。

  この公正証書遺言の作成の押印の際に、証人が立ち会わなかった場合にその効力はどうなるのでしょうか。まず、ありえないことでしょうが、過去に争われた例もありますので、起こった場合に問題になります。

1 最高裁平成10年3月13日判決(裁判集民187号429頁)

  最高裁平成10年3月13日判決は、証人が遺言者の署名・押印の際に立ち会わなかった事案です。

(1)そもそも証人は、遺言者の署名・押印の際に立ち会う必要があるのか

   民法969条1号は、証人の立会いとしているだけで、遺言者の署名・押印の際の立会いとはされていません。

   この点について、上記最高裁は、遺言者の署名・押印の際に立ち会うことを要するとしました。

   (理由)

   公正証書による遺言につき2人以上の証人の立会いを必要とした趣旨は、遺言者の真意を確保し、遺言をめぐる後日の紛争を未然に防止しようとすることにあるところ、遺言者による署名及び押印は、遺言者がその口授に基づき公証人が筆記したところを読み聞かされて、遺言の趣旨に照らし筆記が正確なことを承認した旨を明らかにし、当該筆記をもって自らの遺言の内容とすることを確定する行為であり、遺言者による署名及び押印について、立会いの対象から除外されると解すべき根拠は存在しないからです。

(2)証人が立ち会っていない場合に、遺言の効力はどうなるか

   上記最高裁判決は、方式に瑕疵があることは認定しながらも、いったん証人2人の立会いの下に筆記を読み聞かされた上で署名をし、比較的短時間の後に証人1人のみ立会いの下に再度筆記を読み聞かされて押印を行い、他の証人はその直後ころ右押印の事実を確認したという遺言作成の流れから、この間に遺言者が従前の考えを翻し、又は公正証書遺言が遺言者の意思に反して完成されたなどの事情は全くうかがわれないことを考慮して、あえて、その公正証書遺言の効力を否定するほかはないとまで解することは相当でないとしました。

遺言者の意思にそうかどうかという事情を考慮していますから、事案によっては、公正証書遺言が無効になる余地を認めています。

 

なお、当事務所が公正証書遺言を作成する場合には、当事務所から証人を出すことも可能です。(弁護士中村友彦)

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