相続対策で生前贈与する際の注意点~相続人の事情~

 被相続人が生前に自分の死後のことを考えて、相続対策の必要がある場合は多いでしょう。その目的は、税金のためや、特定の相続人に財産を渡したいなど様々なものがあるでしょう。相続対策の方法の一つとして、生前贈与がありますが、それを行う際には、特別受益、将来の他の相続人による遺留分減殺請求の可能性など、法律的に考慮しないといけないことは多くあり、一般的な相続に関する書籍などにも注意されていると思います。

 しかし、被相続人が生前贈与を行う際には、そのような相続特有の法律的な観点だけではなく、相続人の事情にも注意しなければいけません。

1 受贈者である相続人が多重債務者だった場合

  受贈者がカードローンなどで借金が多いような場合、受贈者である相続人は、被相続人には内緒にしていることがあります。借金が多く、その返済が難しいのであれば、自己破産等の法的な手続きをすれば良いのですが、生前贈与で住宅等の不動産を渡してしまったために、自己破産等の手段が取れないようなことがありえます。また、債権者によって、生前贈与したものを差し押さえ等されてしまい、受贈者である相続人には渡らないことになってしまい、相続対策の目的が実現できないこともあるでしょう。

2 生前贈与後に、受贈者である相続人が多額の損害賠償債務を負ってしまった場合

  生前贈与時点において、受贈者である相続人が借金等の債務を負っていなくても、後日、何らかの事故等で、当該相続人が莫大な債務を負うことがありえます。自動車事故であれば、任意保険で賠償を無制限にしておけばいいですが、意外と困ったことになるのが、例えば自転車事故などです。自転車にも損害賠償保険はありますが、加入している人が少ないですが、交通事故を起こして損害賠償義務を負う場合には、自動車の場合と賠償額は変わりません。それ以外でも、日常的な生活で、他人に損害を与えてしまう場合は、可能性は低くてもあるでしょう。事業等を行っておらず、借金と縁がない人であっても、過大な債務を負うことはありえます。

 そのような場合には、生前贈与で居住用の不動産を贈っていたようなケースでは、損害賠償請求権を有している債権者に差し押さえ等されて、結局、相続対策の目的が果たせないようなことになりかねません。免責されるかどうか、事案によって異なりますが、損害賠償債務も自己破産等する余地はあるのです。

 被相続人自身の生活もあるでしょうから、被相続人の生前に財産を相続人に贈与するのは慎重に行うべきでしょう。相続対策は、様々な方法がありますから、遺言を作成したり、保険を上手く活用したりすることもできますので、複数の視点を考慮するべきでしょう。(弁護士中村友彦)

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