保証人が主債務者を相続した場合における保証債務の弁済と主債務の消滅時効

1 問題の所在

 主債務者が返済を行っている場合、保証人が保証債務の履行として返済しても、主債務の消滅時効は中断しません。すなわち、主債務につき消滅時効の期間が経過する前から保証人のみが返済をしており、主債務について消滅時効の期間が経過した場合、保証人は主債務の消滅時効を援用し、その結果、主債務は消滅して保証債務も消滅するのです。

 それでは、主債務者が死亡して保証人が主債務者を相続した後、保証人が保証債務の履行として返済した場合は主債務の時効は中断するのでしょうか?

2 最高裁平成25年9月13日判決

 この点、最高裁平成25年9月13日判決は次のように述べて消滅時効の中断を認めました。

「主たる債務を相続した保証人は、従前の保証人としての地位に併せて、包括的に承継した主たる債務者としての地位をも兼ねるものであるから、相続した主たる債務について債務者としてその承認をし得る立場にある。そして、保証債務の附従性に照らすと、保証債務の弁済は、通常、主たる債務が消滅せずに存在していることを当然の前提とするものである。しかも、債務の弁済が、債務の承認を表示するものにほかならないことからすれば、主たる債務者兼保証人の地位にある者が主たる債務を相続したことを知りながらした弁済は、これが保証債務の弁済であっても、債権者に対し、併せて負担している主たる債務の承認を表示することを包含するものといえる。これは、主たる債務者兼保証人の地位にある個人が、主たる債務者としての地位と保証人としての地位により異なる行動をすることは、想定し難いからである。

 したがって、保証人が主たる債務を相続したことを知りながら保証債務の弁済をした場合、当該弁済は、特段の事情のない限り、主たる債務者による承認として当該主たる債務の消滅時効を中断する効力を有すると解するのが相当である。」

3 保証人が主債務者を相続した場合の注意点

 保証人が主債務者を相続した場合、保証人としては、安易に保証債務の返済をせず、まず、主債務が消滅時効にかかっていないか、あるいは、消滅時効の期間が経過する直前でないか検討すべきです。

 そして、主債務が消滅時効にかかっているのなら主債務について消滅時効の援用をすべきです。安易に返済してしまうと、せっかく主債務が消滅時効にかかるのに、消滅時効の援用ができなくなってしまいます。

(弁護士 井上元)

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