預貯金と遺産分割

遺産の中に預金や貯金がある場合の遺産分割はどうなるのでしょうか?

預金とは「銀行」、「信用金庫」、「農協」などの預金、貯金とは「ゆうちょ銀行(旧・郵便局)」の貯金であり、あわせて預貯金と呼ばれています。

預貯金は、法律上は「可分債権」(かぶんさいけん)であり、遺産分割をしなくとも、相続人が自分の法定相続分を銀行などに払戻しを請求することができるものとされています(最高裁第一小法廷昭和29年4月8日判決・民集8巻4号819頁、最高裁第三小法廷昭和30年5月31日判決・民集9巻6号793頁)。すなわち、相続人間において遺産分割協議を行わないで、各相続人が自由に銀行などから自己の法定相続分の払戻しを受けることができるのです。

ただし、ゆうちょ銀行の定額貯金については、郵便貯金法において、一定の据置期間を定めていること、分割払戻しをしないとの条件で一定の金額を一時に預入するものと定めていること、預入金額も一定の金額に限定していることから、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないと解されています(最高裁第二小法廷平成22年10月8日判決・民集64巻7号1719頁)。つまり、定額貯金については、遺産分割協議により誰が取得するのかを決めなければ払戻しを受けることができないのです。なお、通常貯金は遺産分割を行うことなく法定相続分の払い戻しを受けることが可能です。 

定額貯金などの例外を除き、預貯金は遺産分割を行わないで法定相続分の払戻しを受けることができるのですが、通常は預貯金も含めて遺産全体につき遺産分割協議や遺産分割調停が行われています。その理由は、不動産あって公平に分割することが困難な場合に預貯金があると調整することが可能だからです。

ですから、通常は、預貯金を遺産に含めて遺産分割協議や遺産分割調停を行うことをお勧めしています。

しかし、早期に現金が必要なのに、自分の意見を強硬に述べる相続人がいて遺産分割協議がまとまらないなどの事情がある場合には、銀行などに法定相続分の払戻し請求をせざるを得ない場合もあるでしょう。

当事務所では、遺産分割につき預貯金の処理も含めて様々な観点から助言を致しますので、お困りの方は御相談ください。

                                                                                                                                                                                                           (弁護士 井上元)

(平成24年1月10日)

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