遺言の解釈~2通の遺言の内容が抵触するか否か

遺言の抵触

 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます(民法1023条)。

 複数の遺言がある場合、その内容について争いが生じることが多々ありますが、いわゆる後の遺言が「後継ぎ遺贈」(例えば、「不動産は配偶者であるaが遺贈する。ただし、aが死亡したら、当該不動産はさらにbが承継するものとする」とする遺言)である場合で、その解釈につき争いとなった裁判例があるのでご紹介します。

裁判例

 次のような2通の遺言がある事案において、子らが遺言執行者に対し、第1遺言と第2遺言とは抵触するから、第1遺言は第2遺言によって取り消されたとして、第1遺言の無効確認を求めました。

(第1遺言)

「私が死亡したる後は、全財産を妻に譲る」

(第2遺言)

「私が死亡したのち、妻がまだ存命中は、住み慣れた家から離れたくないとの妻の切なる願望により、土地、家屋その他一切現状を維持し、もし妻も死去したのちは、土地、家屋その他を処分して金に換え、全額の4分の1づつを子らに与える」(一部修正)

【原審・東京地裁平成13年12月20日判決】

 第1遺言が相続財産の全てを妻に取得させることをその趣旨としているのに対し、第2遺言は、妻ではなく、子らに直接相続財産を取得させることをその趣旨としており、妻は相続財産を取得し得ないことになっているのであるから、第2遺言は第1遺言とは内容的に矛盾し、両立できないもので、両者が抵触することは明らかであるとしました。

【控訴審・東京高裁平成14年8月29日判決】

 第二遺言は、第一遺言を前提に、子供らに対し、遺言者の死亡後、妻の取得する土地、家屋等について子供らの側から妻に対し、その売却や分割等を求めないことを指示するとともに、妻の死亡後は、その財産の分割方法として、それを換価処分の上、その代金を遺言者の指示どおりに配分することを指示したものと解すべきである。そうすると、第二遺言が第一遺言と矛盾抵触するとはいえないとし、原判決を取り消しました。

後継ぎ遺贈の問題

 上記東京高裁判決は、第2遺言は「妻の死亡後は、その財産の分割方法として、それを換価処分の上、その代金を遺言者の指示どおりに配分することを指示したものと解すべきである」としていますが、その法的性質については言及していません。

 この文言は、いわゆる「後継ぎ遺贈」の文言であり、同部分は遺言者の希望を述べたものと解されるのでしょうか?

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(弁護士 井上元)

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