共同相続人の1人による預金払戻拒否は不法行為に該当するか?

預金と相続

 銀行に対する預金払戻請求権は可分債権であり、可分債権は相続開始と同時に分割され、各相続人に法定相続分に応じて帰属するというのが最高裁判例です。

 実務上も、全体の遺産分割が進まない場合、銀行に対して法定相続分のみの払戻を請求するということも行われています。しかし、銀行は、相続人間の紛争に巻き込まれ、二重払いなどの危険を避けるため、訴訟を提起しない限り払戻には応じない場合が多々あります。

 このように、銀行が共同相続人の一人による払戻請求を拒否したことが不法行為に該当するか否かが争われた事例があります。

東京高裁平成26年4月24日判決

 被相続人の子の1人が自己の法定相続分3分の1の払戻を銀行に求めたことに対し、銀行が拒否したため、同人は、法定相続分の払戻とともに、払戻が不法行為に該当すると主張して損害賠償の請求をしました。

 高裁判決は、銀行は、他の相続人から異議を述べる旨の通告を受け、共同相続人間の紛争に巻き込まれる事態を回避するため、本件訴訟の決着を待って払戻の請求に応じることとしたものであり、銀行が損害を与えることを目的として払戻の請求に任意に応じなかったということはできず、公序良俗に匹敵するような強度の違法性を有するものではないとして、不法行為の成立を否定しました。

 最高裁判例では預金は遺産分割することなく当然に分割されるとしていますが、法定相続分の払戻を請求しても、銀行は簡単には応じてくれません。手続の整備が望まれるところです。

(弁護士 井上元)

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