熟慮期間経過後の相続放棄~公正証書送達日から進行するとされた事例

 相続放棄の熟慮期間が公正証書送達日から進行するとされた裁判例をご紹介します。

福岡家庭裁判所小倉支部昭和60年2月6日審判

【事案の概要】

 被相続人は昭和54年11月に死亡したところ、昭和58年12月、債権者の被相続人に対する貸金債権についての承継執行文付金銭消費貸借契約公正証書謄本が相続人に送達された。そして、相続人は、昭和59年8月、家庭裁判所に相続放棄の申述を行った。

【審判の要旨】

 上記相続放棄の申述を受けた家庭裁判所は、次のように述べて、相続放棄の申述を却下した。

 申述人Aの夫であり、申述人C、Dの父である被相続人が、昭和54年11月死亡し、申述人らがその相続人となったこと、申述人らは昭和59年8月本件各相続放棄の申述をなしたことが認められるとともに、申述人らはいずれも昭和58年12月債権者の債務者被相続人に対する貸金債権についての承継執行文付金銭消費貸借契約公正証書謄本の送達を適式に受けているので遅くともこの送達時において申述人らは相続すべき消極財産の有無、その状況等を認識し得る状態に至ったものと認められる。そうすると、相続放棄の熟慮期間は前記送達日から進行するものと解されるので、それから法定の3ヶ月間を徒過した後に申立てられたことの明らかな本件各申述は、いずれも不適法として却下を免れない。

コメント

 公正証書があれば強制執行することができますが、そのためには債務者に送達されなければなりません。上記事案で公正証書が送達されたということは、債権者は強制執行を企図していたのかもしれません。この時点で相続人は被相続人に債務があることを認識したのですから、そこから3ヶ月以内に相続放棄の申述をしなければならなかったのです。

(弁護士 井上元)

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