不在者財産管理人による売却が単純承認に当たるとされた事例

不在者財産管理人による財産処分と単純承認

 相続人が財産を処分した場合、相続を単純承認したことになり(民法921条)、以降、相続を放棄することはできません。

 それでは、不在者財産管理人が選任され(民法25条)、不在者財産管理人が財産を処分した場合でも単純承認に当たり、以降、当該相続人は相続放棄することができなくなるのでしょうか?

名古屋高裁平成26年9月18日判決

 上記名古屋高裁判決は次のように判示して、原審と同様に、不在者財産管理人が不在者が相続した財産を家庭裁判所の許可を得て売却した行為が、不在者にとって民法921条1号の単純承認に当たるため、後に、不在者が相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にした相続放棄は無効であるとしました。

「不在者の法定代理人である本件不在者財産管理人が家庭裁判所の許可を得た上に行った相続財産の処分行為となる本件売却処分について、民法921条1号本文の趣旨を上記と別に解することはできない。また、民法921条1号本文が相続財産の処分行為があった事実をもって当然に相続の単純承認があったものとみなしている主たる理由が上記のようなものであることに加え、本件売却処分が亡B名義の本件不動産の売却に係るものであったことに鑑みれば、本件売却処分によって、控訴人Aに同号本文による単純承認の効果が生じることは明らかであり、そのような本件売却処分について、財産上の許可とは別に、単純承認のための家庭裁判所の許可が必要であるとの控訴人Aの主張を採用することはできない。」

コメント

 民法921条に規定されている単純承認は、当該相続人の意思が介在している場合であり、上記案件のように本人の意思が介在してない場合にまで適用されるのでしょうか?単純承認が規定された趣旨を検討してみる必要がありそうです。

(弁護士 井上元)

 

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