公正証書遺言が口授を欠き無効とされた事例

口授とは?

 公正証書遺言は、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、遺言者及び証人が筆記の正確なことを承認した後、各自署名・押印して作成されます(民法969条)。

 このように遺言者が公証人に「口授」しなければならないとされている理由は、遺言者の真意を確保し、その正確性を期するためです。

実際の運用

 しかし、実際の運用としては、事前に公証人が書面を作成し、遺言者の口述を聞いて署名・捺印するという方法で作成されています。何故なら、原則通りに、口授⇒筆記、という順番で作成すると多大な時間がかかってしまうからです。

 この口授につき、公証人が遺言者に質問をし、遺言者が言葉を発せず単に首肯したにすぎないときは口授の要件を欠くものとされています。

 そのため、公証人は、事前に遺言内容を聴取し、文案を作成していても、少なくとも遺言内容の概要については遺言者本人の口で述べさせるのが通常です。

 しかし、口授が不十分な事案もあり、口授を欠き無効とされる事案も散見されるところです。

大阪高裁平成26年11月28日判決

 大阪高裁平成26年11月28日判決は、公証人が事前に第三者から示された遺言の案が遺言者の意思に合致しているのかを直接確認したことはなく、遺言当日も、公証人が病室で横になっていた遺言者の顔前に公正証書遺言の案をかざすようにして見せながら、これでよいかどうかの確認を求めたのに対し、遺言者は、うなずいたり、「はい」と返事をしたのみで、遺言者は一言も発しなかった事案において、遺言内容の複雑さや、遺言者の判断能力をもふまえ、遺言者の真意の確保のために必要とされている「口授」があったとはいえず、無効と判断しました。

 このように、公正証書遺言であっても絶対に大丈夫というわけではありませんので、作成の際には注意してください。

(弁護士 井上元)

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