相続税を脱税した場合のペナルティ

 相続が開始した後、相続税を納めるべきときは、10ヶ月以内に申告、納税しなければなりません。

 しかし、財産を隠す、負債を実際より多く計上するなどの方法により意図的に相続税額を本来よりも少なく申告、納税することがあります。いわゆる「脱税」です。

 脱税が見つかれば、当然、修正申告や更正により本来の税額を支払わされることは当然のことながら、それに加え、加算税(隠ぺい、仮装があった場合は重加算税)、延滞税が課税されます。

 悪質な事案では刑事訴追されます。刑事事件の判決では、よほど悪質でない限り、執行猶予付きの懲役となりますが、罰金が併科されます。

 名古屋地裁平成29年6月1日判決では、加算税、延滞税の金額も摘示されており、脱税が発覚した場合、金銭的にどの程度のペナルティが課されるのかが分かります。

名古屋地裁平成29年6月1日判決

 実父の死亡に伴う相続に当たり、相続財産の一部を隠匿して過少申告し、被告人自身及び共同相続人である実母及び夫の各相続税を免れたという事案です。

主文

① 懲役1年6か月・執行猶予3年

② 罰金2500万円に処する。

相続税額等の計算

相続税課税価格6億9851万6000円を1億7640万6000円として申告した。

①本来の申告の場合

相続税額 1億8805万4800円

手元に残る額 5億1046万1200円

②脱税による申告の結果

申告額 1128万8600円(ほ脱税額1億7676万円余り)

修正申告により本税・加算税・延滞税として合計2億5700万円を納付

罰金 2500万円

手元に残る額 4億0522万7400円

コメント

 上記事案では、遺産総額が6億9851万6000円(ただし、相続財産評価額であり時価ではありません)、適正に申告すれば相続税額1億8805万4800円であり、差引すると5億1046万1200円が手元に残るはずでした。

 しかし、脱税が発覚し、本来の税額に加え、加算税・延滞税、罰金2500万円などを支払うこととなり、手元には4億0522万7400円しか残らなくなってしましました。差額は1億0523万3800円です。

 更に、刑事訴訟の弁護士費用もかかりますし、精神的負担も多大なものがあります。

 このように、脱税しても得なことはありません。皆さん、適正に申告、納税しましょう。

(弁護士 井上元)

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