遺留分減殺請求を受けたまま放置されている場合の対処法

全財産を相続させる旨の遺言などにより他の相続人の遺留分を侵害している場合、遺留分権者は遺留分減殺請求する旨の意思表示をすることにより、遺留分相当の遺産を取り戻すことができます(民法1028条、1031条)。

遺留分減殺請求された者は、現物で返還することもできますし、価額弁償により現物返還を免れることもできます(民法1041条)。不動産などの場合には現物返還すると共有の状態になってしまいますので、価額弁償を行う資力があれば、価額弁償がなされることが多いのではないでしょうか。

遺留分権者が遺留分減殺請求の意思表示を行った後、速やかに話し合いが行われたり、調停申立、訴訟提起がなされるのが通例だと思います。しかし、中には、遺留分減殺請求の意思表示がなされたまま放置されるということもあります。この場合には、価額弁償の申し出をしても、その金額が決まりませんので、遺留分減殺請求された者は 不安定な立場におかれたままとなってしまいます。

このような場合、遺留分減殺請求された者はどう対処すればよいのでしょうか?

この問題につき、最高裁判所平成21年12月18日判決(裁判所HP、判例時報2069号28頁、判例タイムズ1317号124頁)は、「遺留分権利者から遺留分減殺請求を受けた受遺者等が,民法1041条所定の価額を弁償する旨の意思表示をしたが,遺留分権利者から目的物の現物返還請求も価額弁償請求もされていない場合において,弁償すべき額につき当事者間に争いがあり,受遺者等が判決によってこれが確定されたときは速やかに支払う意思がある旨を表明して,弁償すべき額の確定を求める訴えを提起したときは,受遺者等においておよそ価額を弁償する能力を有しないなどの特段の事情がない限り,上記訴えには確認の利益があるというべきである。」と判示し、遺留分減殺請求された者 から弁償すべき額の確定を求める訴えを提起できるとしました。

遺留分減殺請求の意思表示をされたまま放置されるという事案はあまりないと思いますが、このような場合、遺留分減殺請求された者 としては、上記判例のように弁償すべき額の確定を求める訴えを提起 するか、調停を申し立てたりするなどの対処をすることになるでしょう。

                                                          (弁護士 井上元)
 

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