投資信託と遺産分割

遺産の中に投資信託がある場合、相続人のうちの1人は、証券会社や銀行などに対して自分の法定相続分のみの解約などを請求することができるのでしょうか?

投資信託とは、多数の投資家から集めた資金を、資産運用の専門家(アセット・マネージャー)が、株式や債券、金融派生商品などの金融資産、あるいは不動産などに投資するよう指図し、運用成果を投資家に分配する金融商品です。銀行や証券会社でも販売されており、購入されている方も多数いらっしゃると思います。

銀行預金は可分債権であり、相続人間において遺産分割協議が行われなくとも各相続人は自由に銀行から自己の法定相続分の払戻しを受けることができるというのが最高裁判例でした。

それでは、投資信託はどうでしょうか?

投資信託の中にもいろいろあり、MRF(マネー・リザーブ・ファンド)やMMF(マネー・マネジメント・ファンド)は1口1円であり、かつ、1口単位で解約できますので、預金と同様に考えることもできそうです。

この点、大阪地裁平成18年7月21日判決(金融法務事情1792号58頁)は可分債権で当然分割されるとして一部の相続人による解約を認めました。これに対し、福岡高裁平成22年2月17日判決(金融法務事情1903号89頁)は、不可分債権であり遺産分割が必要であるとして一部の相続人による解約を認めませんでした。また、同高裁判決の原審である熊本地裁平成21年7月28日判決(金融法務事情1903号97頁)は不可分債権だが共同相続人の多数決により解約できるとしています。このように、裁判例では分かれています。

投資信託の内容によっても異なるでしょうし、各銀行や証券会社での取扱いも分かれているようです。

預金も、多くのケースでは遺産分割の対象財産として取り込んだうえで、遺産分割協議や遺産分割調停が行われることが多いと思われます。遺産分割の調整要素として使うことができるからです。例えば、不動産はAが預金はBが取得するという遺産分割も可能なのです。したがって、特に事情がない限り、投資信託も遺産分割の対象として分割することが望ましいのではないでしょうか。

なお、投資信託によっては1口単位ではなく、例えば10000口単位で取引されるものもあり、遺産分割に際しては事前に銀行や証券会社に問い合わせることが大事です。 

                                                     (弁護士 井上元)

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