公正証書遺言の無効

 通常利用される遺言の形式には、公正証書遺言と自筆証書遺言があります。そして、公正証書遺言は無効とされることが少ないため、私たちとしましても公正証書遺言の作成を勧めることが多いわけです。

 自筆証書遺言は、遺言者が、全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければなりません(民法968条)。これを間違ってしまうと自筆証書遺言は無効となってしまうのです。これに対し、公正証書遺言は公証人が作成するため、形式面で不備があることはほとんどなく、その点では安全です。 

 しかし、公正証書遺言も万全ではありません。遺言をするためには意思能力が必要であり、認知症などのため、遺言者に意思能力がない状態で作成された場合には公正証書であっても無効となるのです。高知地方裁判所平成24年3月29日判決(判例タイムズ1385号225頁)は、成年後見開始申立後に作成された医師の鑑定書では「本人には財産を管理する能力がない」とされており、その1ヶ月後に作成された公正証書遺言は無効であるとしました。他にも公正証書遺言が無効とされた裁判例が散見されるところです。

自筆証書遺言は、前述のように本人が全文を自筆で書かなければならないのに対し、公正証書遺言は本人が公証人に「口授」すればよいため、案外、簡単に作成されてしまうこともあるのかとも思われます。

もちろん、通常、公証人は本人の状況を注意深く観察し、本人に意思能力がないと判断すれば公正証書を作成することはないでしょう。しかし、公正証書作成時点における本人の状況全てが判明しているわけではありませんので、後から見た場合に結果的に無効とされる公正証書が作成されることもあり得るのです。

このように公正証書も万全ではないことに御留意ください。

                                                                                                                                     (弁護士 井上元)

相続の法律相談ご予約

フリーアクセス:0120-967-330(御予約受付:平日 午前9:30~12時、午後1時~ 5:30)

相談予約で夜間・土曜面談対応いたします。

メールでのご予約は24時間受付

土曜相談会のご案内

毎月1回、土曜日に相談会を行います。

初回1時間無料・予約制

詳細はここをクリックしてください

OSAKAベーシック法律事務所

御堂筋線・京阪電鉄淀屋橋駅1分

〒541-0042
大阪市中央区今橋 4 丁目 3 番 6 号
淀屋橋 NAO ビル 3 階

交通至便 淀屋橋駅1分

アクセスマップはこちら

専門家ネットワーク

弁護士
税理士、司法書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、その他の専門家

Q&A 任意後見入門



任意後見契約締結から終了まで分かりやすく解説しています!