作成した自筆証書遺言書に付け加えや訂正する方法

作成した自筆証書遺言書を後で変更したりする場合、もう一度自筆証書遺言書を作成しなおすという方法もありますが、民法968条2項は、遺言書に加除その他の変更を施す場合には、遺言者がその場所を指示し、これを変更した旨を付記してこれを署名し、かつその変更場所に押印を要するとしています。

1 自筆遺言書に付け加えや訂正する際の要件

   ①変更場所の指示

 ②変更の内容を付記した上で署名

 ③押印

 通常の文書の変更方法よりも厳格であるのは、他人による遺言書の偽造・変造を防止するためだとされています。

 

2 付け加えや訂正の要件を満たさない場合にどうなるか

     上記民法の要件を満たさない場合、自筆証書遺言の変更部分が無効であるとしてしまうと、遺言者である被相続人の意思が実現されないことになってしまいます。一般的に上記のような変更の要件を知らない人は多いでしょうから、要件の満たさない遺言書の変更がされるケースも多いと思われます。そこで、例外的に変更が有効にならないかが問題となります。 

     東京地裁平成19年7月12日判決(判時1996号51頁)は、自筆証書遺言の日付けの訂正が有効であれば、訂正された日付け前に作成された他の遺言書が無効になるため、変更の要件が欠ける場合でも自筆証書遺言の変更が有効になるかが争われました。上記東京地裁判決は、「民法968条2項によれば、自筆証書遺言の訂正は、遺言者自身がその場所を指示し、これを変更した旨を附記して特にこれに署名し、かつその訂正の場所に印を押さなければ、その効力がないとされているが、このような要式性の要求は、あくまでも遺言の訂正という重大な単独行為につき、事後に疑義が生じることを防ぎ、その効力を明確にするためのものであると解するのが相当である。そうすると、個別具体の事案において、遺言の訂正の外形的事実及びその遺言者の意思について疑義が生じる余地がなく、また、要式性の欠如を不問に付することにより関係者間の公平を害するような事情も見当たらない場合には、形式的に要式性の一部に欠陥があるからといって、遺言者の真意に反して遺言訂正の効果を認めないとすると,実質的正義に反する結果を招来することになりかねないから、このような解釈は相当ではないというべきである。」として、変更の要件に欠ける場合でも、自筆証書遺言が有効になる余地を認め、自筆証書遺言の日付の訂正が有効に行われたとしました。 

                                                                                                                                (弁護士 中村友彦) 

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