「財産をすべてまかせる」と書かれた遺言

自筆証書遺言では、被相続人が遺言の作成にあたって注意していないこともあって、遺言の文言が曖昧であり意味がはっきりしないときがあります。遺言の意味が分からなければ、遺言は無効になります。しかし、遺言を無効にしてしまうと被相続人が、遺言によって相続人間の紛争を防ごうと考えたことなどが無意味になってしまいます。そこで、遺言者の真意を探求する等して、遺言を有効に解釈して遺言の内容を確定させることが行われます。

1遺言の解釈により、遺言を有効とすることを認めた判例

 最高裁昭和30年5月10日判決(判タ49号55頁)は、「意思表示の内容は当事者の真意を合理的に探究し、できるかぎり適法有効なものとして解釈すべきを本旨とし、遺言についてもこれと異なる解釈をとるべき理由は認められない。」として、遺言者の真意を探求して、有効になるように遺言を解釈することを述べました。      

2「財産をすべてまかせる」とされた遺言

  遺言の文言の書き方は色々とありますが、その解釈をめぐって相続人間で争われることがあります。「財産をすべてまかせる」とされた遺言も争われることのある遺言の一種で、遺贈なのか、それとも管理をまかせただけなのかよく分かりません。

 東京高裁昭和61年6月18日判決(家月39巻4号38頁)では、「財産をすべてまかせる」旨の遺言の意味について争われました。上記東京高裁判決は、「『まかせる』という言葉は、本来『事の処置などを他のものにゆだねて、自由にさせる。相手の思うままにさせる。』ことを意味するにすぎず、与える(自分の所有物を他人に渡して、その人の物とする。)という意味を全く含んでいないところ、本件全証拠によつても遺言者の真意が訴外人に本件土地を含むその所有の全財産を遺贈するにあつたと認めるには足りない。」と判示し、遺贈の意味ではないとしました。

 あくまで、遺言者の真意がどういうものであったかが重要であるので、事情によっては、「財産をすべてまかせる」旨の遺言も遺贈と解釈されることもありえると思います。上記東京高裁の事案も、実の娘(法定相続人)に何も残さないような状況でなかったことや、先に「譲る」という遺言を作成しようとしたのをやめた経緯などを考慮しています。

 いずれにしろ、解釈を残すような遺言を作成すると相続人間でもめる原因になりますから、遺言の作成にあたっては一度専門家に相談してみることをお勧めします。                  

                                                                                                            (弁護士中村友彦)

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