自筆証書遺言の氏名が、通称名しか記載されていなくても有効か

   遺言は、被相続人である遺言者が、後日、遺産分割で相続人間でもめないようにするといったことを理由として作成されます。しかし、本来、遺言書がなければ、法定相続分であればより多くもらえた相続人にとって遺言は不都合なものですから、何か遺言に不備があれば、遺言の無効を主張する等して、遺産分割の際にもめて裁判沙汰になることは十分にありえます。

 遺言の要件の一つに氏名の自書がありますが、この氏名の記載が、戸籍上の氏名ではなく、通称やペンネームといったものであった場合、自筆証書遺言の効力が問題になります。

 大阪高裁昭和60年12月11日判決(判時1185号115頁)は、遺言書における被相続人である亡大来道雄の氏名が「大来通雄」と記載されており、自筆証書遺言の効力が争われた事案です。上記大阪高裁は、「亡道雄が生前自己の名前の表示として「通雄」を用いたこともあったこと並びに本件土地を控訴人に相続させるという本件遺言の内容を併せ考えるときは、右「大来通雄」の表示は遺言者たる亡道雄の氏名の表示として十分である」として、氏名は、戸籍上の氏名でなくともよく、通称でも遺言の要件に欠けるところはないとしました。

   なお、上記大阪高裁判決は、昭和60年2月27日大阪地裁岸和田支部判決が遺言能力なしとして遺言を無効としたのを覆したものですが、上記大阪地裁岸和田支部判決は「亡道雄は、本件遺言以前自分の名前を自筆するのに、「通雄」なる文字を使用していなかった」と認定したうえで、遺言の氏名が戸籍上の氏名でない事情を遺言能力がなかったことを基礎付ける事情として考えていたと思われます。

                                                                           (弁護士 中村友彦)

相続の法律相談ご予約

フリーアクセス:0120-967-330(御予約受付:平日 午前9:30~12時、午後1時~ 5:30)

相談予約で夜間・土曜面談対応いたします。

メールでのご予約は24時間受付

土曜相談会のご案内

毎月1回、土曜日に相談会を行います。

初回1時間無料・予約制

詳細はここをクリックしてください

OSAKAベーシック法律事務所

御堂筋線・京阪電鉄淀屋橋駅1分

〒541-0042
大阪市中央区今橋 4 丁目 3 番 6 号
淀屋橋 NAO ビル 3 階

交通至便 淀屋橋駅1分

アクセスマップはこちら

専門家ネットワーク

弁護士
税理士、司法書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、その他の専門家

Q&A 任意後見入門



任意後見契約締結から終了まで分かりやすく解説しています!