寺院による無断墓石撤去・合葬のトラブル

墓石や遺骨は、長期間、あるいは、数世代にもわったって管理されるものですから、墓地管理者が墓地使用権者と連絡がとれなくなることがあります。また、墓地使用権者が離檀することもあります。そして、このような場合、墓地管理者が墓地使用権者の同意なく、墓石を撤去したり、遺骨を合葬するなどのトラブルが生じることがあります。

このような紛争事例をご紹介しますので、解決のための参考にしてください。

裁判例

東京地裁平成5年11月30日判決・判例時報1512号41頁

墓地の管理者が無断で墓石を移動させたことが管理義務に違反するとして、墓地使用権者による契約解除を認めるとともに、不法行為に当たるとして損害賠償請求を認めました。

横浜地裁平成7年4月3日判決・判例タイムズ887号223頁

遺骨の有償寄託を受けた寺院が寄託者らの承諾なく小さな骨壷に移し替え、入り切らなかった遺骨を合葬処分したことにつき、「人の遺骨は、一般社会通念上、遺族等の故人に対する敬愛・追慕の情に基づく宗教的感情と密接に結び付いたものであり、このような心情は一種の人格的法益として保護されるべきものであるから、これを扱う者に、宗教的慣習ないしは社会通念に照らして適切とはいえない面があった場合には、それは右の人格的法益に対する侵害として遺族等に処する不法行為をも構成するものと解される」とし、債務不履行及び不法行為に該当するとされました。

大阪地裁堺支部平成7年12月1日判決・判例時報1581号110頁

判決は、次のように述べ、納骨した寺が、遺骨を無断で分骨・合葬したとして、遺族からの慰謝料請求を認容しました。

「そもそも祖先ないし死者崇拝の対象として象徴的意味を有する遺骨というものの性質上、遺骨を分割して保管する分骨やさらにはこれを他人の遺骨と混和させてしまう合葬は、特別の必要が認められる場合にのみ行われる例外的な遺骨保管(合葬してしまうと再び当該遺骨を取り出すことは不可能であるから保管というより処分というべきであろう。)方法であると認められるから、当時日蓮正宗と原告らの所属する創価学会との間でなお信頼関係が保持されていたことを考慮しても、遺族が単に手続の手間を省くために分骨や合葬に同意するということ自体、普通あまり考えられない事態とみてよい。」

「したがって、このような分骨さらには合葬について同意があったというためには、『分骨』が一般的な意味とは違い、改葬手続の煩雑さを避けるために行う便宜的処置で、当該遺骨のほんの一部を取り分けること、『分骨』された遺骨はごくごく一部でもはやそれ自体を独立にあるいは特定して保管することは困難であり、当然ながら他の同様に取り分けられた『骨』と一緒にされ、後になってそれを取り出すことは不可能になる運命のものであることを十分説明し、遺族らがその意味を十分理解したことが必要といわなければならない。」

「被告らは、納骨業務を行う寺院あるいはその納骨堂の管理者として、預かった遺骨については、その所有者ら遺族の宗教的感情を思いやりそれらを害することのないよう、宗教的慣習や社会通念に従って適切かつ丁重に保管し、返還の際にはできる限り原状のまま返還しなければならないのは当然のことである。」

「原告らが所有権を有する本件各遺骨・・・を原告らに無断で分骨、合葬し、遺骨の一部を返還不能にしてその所有権を侵害し、かつ、遺族として原告らが故人に対して抱いている敬愛追慕の情という人格的法益を侵害した。したがって、被告らは、右不法行為(民法44条、709条。被告・・は一部原告に対しては債務不履行でもある。)に基づき、原告らに生じた精神的損害を賠償する義務がある。」

京地裁平成18年10月18日判決・判例秘書

墓地管理者が無断で墓石等を廃棄処分したことが不法行為に該当するとして損害賠償を命じました。

京都地裁平成19年2月13日判決・判例秘書

被告寺院が、原告らが信徒でなくなったことを理由に被告の管理する納骨堂に原告らが納骨した遺骨をほかの遺骨と分別できない状態にした行為につき、被告寺院の、納骨時の「納骨された遺骨は一切返還しない」との約定に基づき遺骨の返還義務を負わないとする主張、および「合祀」として社会通念上相当な行為であるから不法行為に該当しないとする主張がいずれも排斥され、債務不履行及び不法行為に該当するとされました。

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