遺骨の所有権

祭祀に関する権利(系譜、祭具及び墳墓)の所有権の帰属については民法897条で規定されていますが、遺骨についての規定がなく、遺骨の所有権を巡って争いが生じていました。

遺骨の所有権については、①相続財産を構成し相続人に帰属するとの見解、②相続財産を構成せず慣習上定まった喪主たるべき者に当然に帰属するとする見解、③民法897条を準用し祭祀主宰者が所有権を取得するとする見解がありましたが、最高裁平成元年7月18日判決・家庭裁判月報41巻10号128頁は「本件遺骨は慣習に従って祭紀を主宰すべき者である被上告人に帰属したものとした原審の判断は、正当」として③説を支持しました。

民法897条2項の準用により取得者が指定される

その後の裁判例では、「遺骨についての権利は、通常の所有権とは異なり、埋葬や供養のために支配・管理する権利しか行使できない特殊なものであること、既に墳墓に埋葬された祖先の遺骨については、祭祀財産として扱われていること、被相続人の遺骨についても、関係者の意識としては、祭祀財産と同様に祭祀の対象として扱っていることなどからすると、被相続人の遺骨についても、その性質上、祭祀財産に準じて扱うべきものと解するのが相当である。したがって、被相続人の指定又は慣習がない場合には、家庭裁判所は、被相続人の遺骨についても、民法897条2項を準用して、被相続人の祭祀を主宰すべき者、すなわち遺骨の取得者を指定することができるものというべきである。」とされ、当該事案において適切な者が遺骨の取得者に指定されています(東京家裁平成21年3月30日審判・家庭裁判月報62巻3号67頁、大阪家庭裁判所平成28年1月22日審判・判例タイムズ1431号244頁)。

遺骨の所有は埋葬・供養のためであること

遺骨の「所有」といっても、「通常の所有権とは異なり、埋葬や供養のために支配・管理する権利しか行使できない特殊なものである」ことから、通常の所有権より大きな制約を受けることになります。東京地裁平成24年3月14日判決・判例秘書は、「本件遺骨は、その祭祀供養の対象として適切に占有、保存されるべきものであるところ、現在の本件遺骨の占有、保存の状況として、かかる観点から客観的にこれを他に移転すべき状況にあるわけではなく、これは、原告が、被告Y1に対して本件遺骨を寄託し、高知の墓から移すことに同意した結果によるものであるが、それに反して原告が被告らに対して本件遺骨の返還を求める理由は、本件遺骨とは直接関係のない事柄や、直ちには首肯しがたい事情によるものであり、また、本件遺骨の返還を受けた後の本件遺骨の取扱いについて、原告が、上記の観点から適切な取扱いを真摯に検討しているとは認められないということができる」とし、原告の所有権に基づく返還請求を権利濫用(民法1条3項)により許されないとしました。

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