遺言による認知
遺言で認知をすることができます(民法781条2項)。
認知とは、非嫡出子(婚姻関係外でもうけた子供)を自分の子供であると認めることであり、認知によって父子関係が成立します(ちなみに、最高裁昭和37年4月27日判決・16巻7号1247頁は、母子関係は、原則として、母の認知を待たず、分娩の事実により当然発生するとしています)。
生前に認知せず、遺言で認知をした場合、相続人間で紛争が生じることは避けられませんが、どのようにすれば子のためになるのかを考慮すべきかと思われます。
認知の届出
遺言認知があれば、遺言執行者は就職の日から10日以内に、戸籍法60条または61条の規定に従って認知の届出をしなければなりません(戸籍法64条)。認知の届出は遺言執行者の職務とされていますから、遺言で遺言執行者が指定されていない場合、家庭裁判所で遺言執行者を選任してもらう必要があります。
認知される子が成年の場合
認知される子の承諾が必要です(民法782条)。
胎児を認知する場合
母親の承諾が必要です(民法783条1項)。
認知される子がすでに死亡していた場合
死亡していた子に直系卑属がいる場合に限って認知ができます。なお、その直系卑属が成年の場合は、その直系卑属の承諾が必要です(民法783条2項)。